2025-26年度RI第2530地区
ガバナー 泉 田 征 慶
東日本大震災から15年の節目を迎える2026年3月に、ガバナーを拝命することに、特別な思いを感じます。
福島第一原子力発電所の事故により、相双分区に属するロータリークラブは多大な影響を受けました。特に双葉郡にある浪江RCおよび富岡RCは、テリトリー全域に避難指示が出されたこともあり、一時はクラブの存続そのものが危ぶまれる時期もありました。そうした中で、地区内外のロータリアンの皆さまからいただいたご支援のおかげで、現在もロータリー活動が継続できていることに深く感謝を申し上げます。
私が所属する浪江RCでは、避難指示が長期化したことにより、避難先で住宅を求め、現在も生活の拠点がテリトリー内にない状況のメンバーがほとんどです。そのような状態でガバナーを輩出し、地区運営を担うことが果たして可能なのかという疑問がありました。しかし、「いつまでも被災者のままではいられない」という私自身の強い思いに加え、クラブメンバーの団結力、そして相双分区6クラブの固い絆があるからこそ、この大役をお引き受けする決意を固めるに至りました。メンバーは県内外に点在しており、運営には困難も伴うと予想されますが、精一杯努力していく所存です。どうか一年間、よろしくお願い申し上げます。
アメリカには「チャリティーナビゲーター」という組織があります。この組織は、2001年に設立された慈善団体の活動内容や財政状態を評価するアメリカ最大の第三者機関です。ロータリークラブはこの団体から、16年連続で最高評価である四つ星を受けており、23万を超える評価対象団体のうち上位1%に入る、極めて優れた実績を持つ組織です。この評価は、我々1クラブのひとつひとつが積み重ねてきた活動の成果であり、各クラブの創設以来、先輩方が築いてこられた努力の賜物です。その精神を永年に渡り引き継ぐために、より充実したロータリー活動を続けていかねばなりません。
現在、世界のロータリアンの数は約116万人といわれています。一時は120万人を超えていましたが、近年は微減傾向が続いています。特に新興国での会員減少は著しく、日本も例外ではありません。我々の2530地区においても同様であり、最も会員数が多かった1996年度の3203人に対し、2024年度のスタート時点では2126人と、実に1077人の減少となっています。今後も充実した奉仕活動を継続していくためには、会員増強が最大の課題であることは言うまでもありません。
ロータリークラブは「回転ドア」に例えられることがあります。入会者が多い一方で、退会者も多いという例えです。退会者数の抑制もまた重要な課題となります。退会者の中には、ロータリーがどのような活動をしているかを十分に理解しないまま辞めてしまう人もいると思います。現会員においても同様に、他クラブや地区、国際ロータリーの活動が見えていないという状況があるのではないでしょうか。対外的な広報に加えて、対内的にも情報を積極的に共有し、我々の活動が地域社会に必要とされていることを実感できるよう、ロータリアンであることを誇りに思えるような広報活動を推進したいと考えております。
また、ガバナー補佐と緊密に連携しながらクラブへの支援体制を強化し、例会や奉仕活動がさらに充実したものとなるよう努めてまいります。地区とクラブが連携して、素晴らしいロータリー活動が実現できるよう「よいことのために、手を取り合いましょう。」